【Q】物件の選び方のコツはありますか?

A:なぜ家を買うことになったのか、その動機を確認して、それを物件選びの軸にしましょう。

 

家を買おうと思ったら…皆さんはまずどうされるでしょうか?
住宅情報誌を買ったり、マンションのモデルルームに行ったり、ネットで調べたり…と、様々な行動を起こされると思います。しかし、実際に動き出す前に、まずは自分の「理想の住まい像」と真正面から向き合うことが大切だと、私は考えます。もちろん家族がいる人は、家族でそれを共有する必要がありますね。

 

私は、不動産営業をしていた頃、「ただ漫然と数多くの物件を見学して、『あ~家探ししてるんだなぁ』と悦に入る」という「失敗するケース」に陥った方によく出会いました。そこで、まずお話していたのは、「理想の住まい像」を具現化していくという一見地味な作業。実は、それが家探しの肝になってくるのです。

 

そして、そのファースト・ステップが「動機の確認」です。

 

家を買う動機は人それぞれです。例えば「結婚することになったから」、あるいは「子どもができて今の家が手狭になったから」、はたまた「住宅ローンの金利も安いし、家賃を払うのがもったいないと思うようになったから」などなど、様々な動機があると思います。
中には、「特に理由なんてない。ほしいと思ったから買いたいの!」と言う人もいるかもしれません。それはそれでいいのですが、「なぜほしいと思ったんだろう?」「何かきっかけみたいなものはなかったのかな…」そんな風に自分に何度も問いかけてみてください。動機をハッキリさせることは、家探しの初期段階において、とても重要です。というのも、動機というのは、理想の家の条件整理をするときや、いざこの物件にしようと決断するときに、必ず立ち返るものだからです。

 

家を買ったにも関わらずすぐに買い替えをする、という方は、実は結構います。本当にいるんです。3 年も探して、見つかって、多額のローンを組んで買って、住んで半年で引越した方とか。理由は立地が嫌とか、資金がやっぱりキツイとか、思ったより狭いとか…。心の中では「いや、だから言ったのに…」と思ってしまいます。ですので、私は必ず聞いていました。「お住まいを探すきっかけは?動機は?」と。

 

分かりやすい例を出しますと、「駅徒歩 5 分で築 30 年の物件」と「駅徒歩 15 分で築 3 年の物件」を比較することになったとき、「駅に近くて便利なところに住みたい」というのが元々の動機なのであれば、やはり前者の物件を優先すべきだと思うのです。確かに新しい物件は見た目もキレイで目移りしてしまうかもしれませんが、そのときの“舞い上がり”だけで選んでしまうと、「あ~、駅が遠いと、やっぱり通勤がしんどいなぁ」と、ほぼ間違いなく後悔することになるでしょう。また、いい家が見つかって、いざ契約書に判をつこうとするとき、どんな人でも多少は不安になるものです。「この物件でよかったのかな…」「他にいいのがあるんじゃないかな…」などなど。それは往々にして解決しようのない不安です。何千万円もの借金を背負ってする買い物なのですから無理もありません。
そんなときこそ、動機に立ち返るのです。「通勤はちょっとしんどいけど、『明るくて広い家で嫁と子供が元気に過ごせる家に住みたい』というのが一番の動機だったから満足だ!」と確認できれば、納得度も高まるでしょう。自分で確認した動機が決断の後押しになり、迷いや不安を払拭する力強い味方になってくれるのです。

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